東北大学工学部編入体験記(令和4年) 高専テクノゼミ現役講師体験談

高専テクノゼミ現役講師による大学編入体験記第一弾です!
今回は高専テクノゼミで講師をしているダイゴ講師に東北大学工学部の編入体験記を書いていただきました。
一緒に東北大学の体験記を見ていきましょう。

こんにちは、令和4年度東北大学工学部 機械知能・航空工学科に合格したダイゴです。
今回は高専から東北大学工学部編入試験合格に至るまでの体験記を書こうと思います!
高専から大学編入を考えてる方!ぜひ最後まで読んでいただければと思います。


自己紹介

在学高専・学科:徳山工業高等専門学校・機械電気工学科
得意科目:数学、物理、機械系専門科目(熱力学、流体力学、材料力学etc)
苦手科目:電気系科目
趣味:スポーツ全般、映画鑑賞

高専での順位
1年:12、3位
2年:8位
3年:5位
4年:3位
5年:3位(前期の成績)

高専からの大学編入で東北大学を選んだきっかけ

 1番の理由は東北大学工学部の機械知能・航空工学科にある「機械・医工学 コース」に惹かれたことです。将来は医療系の分野に進もうと考えていたため、医工学が学べる大学に進もうと思い東北大学を志願しました。他にも旧帝大であることや総合大学で他の学部の人たちとも交流を深められることなど他にも理由はありますが、1番は自分の進みたい分野や興味のある研究室で決めるのがいいと思います。

東北大編入の併願校とその理由

 僕は東北大学以外に岡山大学と長岡技術科学大学を受験しました。また、岡山大学の合格が決まったため受験はしていませんが、東京都立大学の願書も出していました。ここからは併願大学ごとに選んだ理由や受験科目について紹介します。

岡山大学

 理由:人工骨をチタンなどの金属で製造するという研究に興味を持った。
    受験科目が数学、物理と少ない。
    地元から比較的近い。キャンパスから都市部まであまり遠くない。
 受験科目:数学、物理
 結果:合格

長岡技術科学大学

理由:高専の延長で勉強ができる。
    合格者を多くとってくれる。
 受験科目:国語、英語、数学、物理
 結果:合格

東京都立大学

 理由:医療系の研究がいくつかある。
    受験科目が数学、物理と少ない
 受験科目:数学、物理、(TOEICスコア提出あり)

高専から東北大編入の教科別試験対策法


 東北大学の編入試験は数学、物理、化学、英語の4科目と面接があります。
 ここでは科目ごとに僕がどのような参考書を使って勉強したか紹介したいと思います!

 東北大編入試験の数学の傾向


  数学は大問が3つで構成されています。

  出題範囲としては
  ・微分積分
  ・平面ベクトル、空間ベクトル
  ・線形代数
  ・数列漸化式   などが主に挙げられます。
  さらに、2年前から微分方程式が出題されたり、行列と数列が入り混じった問題など幅広い範囲から出題されます。年によってはベクトル解析のが範囲  (面積分、ストークスの定理など)が出ている年もあります。


  また、フーリエ変換や複素関数などの応用数学はあまり出ていない印象です。
  問題の難易度も基礎的な問題から応用問題まで幅広いので、しっかりと基礎を固めて応用問題も解けるようになるとよいでしょう。
  
  使った参考書は
  ・編入数学徹底研究
  ・大学編入のための数学問題集
  ・編入数学過去問特訓 
  ・極めるシリーズ 線形代数
  ・編入数学入門
  です!
  僕は徹底研究、大学編入のための数学問題集、過去問特訓の3冊をメインに勉強しました。そしてこの3冊にないベクトルや数列漸化式を極めるシリーズと編入数学入門で補うといった感じです。


  後ほど紹介しますが勉強の順番としては徹底研究でおおかた基礎を固め、他の2冊の問題集で力をつけるという手順で進めていきその合間でベクトルと数列を対策すると良いです。
  


 東北大学編入試験の物理の傾向


  物理は力学、電磁気は固定で出題され残り1つの大問に熱or波・光が出ます。力学は質点・剛体の運動、振動など幅広い範囲から出題されます。電磁気についてはほぼ全範囲から出題されるので、早めの対策が必要です。また、熱と波・光についてはあまり難しくない印象です。
  
  使った参考書は
  ・大学生のための初等力学
  ・大学生のための初等電磁気学
  ・物理のエッセンス
  ・名門の森
  ・基礎物理学演習
  ・熱力学の教科書
  力学と電磁気は「大学生の…」シリーズでほぼ全ての範囲を網羅できます。名門の森とエッセンスで熱と波・光を勉強し、問題を解ききったら物理学演習で総まとめするといった要領です。余裕があれば、熱力学や波動関数までやると難しい問題がきても対応できます!
   

東北大学編入試験の化学の傾向

化学は無機化学、有機化学、理論化学・物理化学3題の大問で構成されています。結論から言うと化学はほぼ暗記です!物理化学と理論化学で多少計算式があるものの、有機と無機に関してはひたすら覚えるのみです。
  
  使った参考書
  ・鎌田の理論化学
  ・鎌田の有機化学
  ・福間の無機化学
  ・基礎問題精講
  ・物理化学の教科書
  まず理論化学で化学の基礎を固めます。基本的な計算式などもそこでしっかりとおさえましょう。理論化学のかたわらで寝る前などに有機化学の暗記をし、無機化学は最後に勉強するのが良いです。とは言っても暗記なので有機と無機を並行して暗記するのもいいと思います。また、物理化学については浅く広く学ぶイメージで勉強するのがいいと思います。


  暗記をするのが苦手な人も多いでしょう、しかし暗記物はコツコツ続けることで長期記憶となります。諦めずに頑張りましょう!

東北大学編入試験の英語の傾向


  英語は出願時にTOEICのスコアを提出し、点数化します。
  TOEICは何度も受験することが可能で数をこなすことでスコアが上がる傾向があるので早めに受験して高いスコアをとることができれば安心して他の科目に取り組むことができます。(僕は受験する年の3月に630で結構焦ってました)

スコアについては高いに越したことはないですが600台あれば十分戦えるかなと思います。というのも編入は定員が明記されていない場合、他人との戦いではなく基準点を満たしているかどうかです。先輩の話ではTOEICスコア500台で受かった人もいるそうです。とはいえ試験当日に英語はないので、TOEICを早めに終わらせて他の科目に時間を費やしましょう!

  使った参考書
  ・金のフレーズ
  ・TOEIC公式問題集
  僕は寝る前と朝起きてすぐに金フレの単語を暗記し、パート毎の対策をしながら公式問題集をひたすら解きました。TOEICは単語を覚えてからがスタートです。時間配分もあるのでその辺りも対策もしながら受験の数をこなしてスコアを上げていくと良いです!

東北大学編入試験の面接の傾向


東北大学の受験は二日開催で二日目に面接があります。

至って普通の面接で時間は10〜15分ほどです。
  ・志望理由
  ・いきたい研究室
  ・高専での卒業研究について
  ・高専時代力を入れたこと
  ・大学に入学して頑張りたいこと
など、普通の質問が多いです。
僕は生体流体の研究室に興味があるということを話したので
ベルヌーイの定理とレイノルズ数についての説明もありました。

自分の行きたい研究について調べてその分野での基本的な質問に答えられるようにすると良いでしょう。
面接は家からの距離が遠い人から順に始まります。(僕は初っ端でした)
圧迫感のある感じじゃなかったので、受け答えをしっかりできれば問題ないと思います。
  

各編入試験対策のスケジュール


 ここでは僕の受験勉強のスケジュールについて紹介します。1日あたりの勉強時間やいつどんな勉強をしていたかなど参考にしていただければと思います。

まず僕が受験勉強を始めた時期ですが、4年次の夏休みから本格的に始めました。
最初は数学からスタートしその後、物理→化学という順で勉強しました。 理由としては、微分積分やベクトルの基礎が物理に応用されるからです。化学はほとんど暗記なので最後でも順序的に最後でも問題ないと判断しました。

・4年夏休み


 大学編入のための数学問題集を一周しました。本来は徹底研究で基礎を固めるつもりでしたが、絶版中だったため買うことができず順序が逆転してしまいました。

・4年後期


 後期が始まり、学校の図書館で徹底研究を借りて放課後や夜など平日は3時間ほど、バイトや部活もやめていたので休日は5~6時間ほど勉強しました。10月の下旬からTOEICの単語の暗記をはじめました。多くの友達は夏休みからTOEICテストを受けていたためかなり焦って勉強していました。12月から3月までは毎月 TOEICテストを受けました。


 年が明けてからは徹底研究も終わりベクトルと数列の勉強のため極めるシリーズ編入数学入門を解き、その傍らでTOEIC対策をしました。

・4年から5年にかけての春休み+5年4月


 数学も一通り勉強したので春休みから4月にかけて物理の力学と電磁気の勉強を始めました。大学生の…シリーズの力学・電磁気学を2週ほど解き、解説が分からない問題は物理の先生に質問攻めしました。物理は内容を理解するまで 時間がかかりますが、数学と違い問題のパターンも大体決まっているので式の意味や法則を理解すれば問題をこなすといった感じで勉強しました。

・5年5月



 物理の熱と光・波の分野の勉強を始めました。名門の森と物理のエッセンスを中心に勉強しました。熱に関しては熱力学の授業でやっており範囲も広くないのですぐに復習が終わりました。波・光については、内容が抑えづらい印象がありましたが問題が解けるくらいまでは勉強しました。

また、この時期から理論化学の勉強を少しずつ始めました。化学は優先順位的には最後でもよかったのですが理論を勉強しておくと化学全般が分かりやすくなると聞いて勉強を始めました。

・5年6月


 6月の中旬に岡山大学、下旬に長岡技科大の試験を控えていたため、東北対策は一旦中止して岡山と長岡の過去問をひたすら解きました。

・5年7月


 東北大学編入の勉強として、3科目すべてに手を付けました。
 数学は徹底研究の2周目と過去問特訓、物理は力学と電磁気の2周目、寝る前に有機化学の暗記をしました。受験1か月半前というのもあり授業中に隠れて内職したり夜も就寝時間ギリギリまで勉強しました。時間としては平日に5~6時間、休日に8時間を目標に勉強していました。

・5年夏休み


7月終わりから夏休みが始まり勉強時間も学校がある日以上に確保できようになり
最後のスパートをかける時期となりました。おそらくどんな受験生でも1か月前になると焦ります。僕はそれが意味での焦りになって勉強する原動力につながり、それもあってか夏休みに入ってからはほぼ毎日半日以上勉強しました。
 

数学は過去問特訓の2周目を解き、物理は基礎物理学演習、化学は物理化学の対策をしながら夜に暗記ものをするという勉強を繰り返していました。午前中に物理や数学など計算系の科目、夕方~夜に物理化学、夕飯後~寝る前に 化学の暗記といったスケジュールです。


 
・受験1週間前


 1週間前から出発前日は過去問を時間を計って解きました。その際、数学が早く解けたからと言って物理に進むのではなく受験の時間通りに行いました。つまり、1日1年分解くということです。そして、夜に解答と照らし合わせ自己採点して復 習、夜に化学の暗記をしました。


 あまり過去問に頼りすぎるのはよくないです。過去問はあくまで確認用と思って取り組みましょう。傾向を確認するために眺めるのはいいですが過去問から出題されるわけではありません。例として、東北大学では一昨年か昨年の試験で10年ぶりに微分方程式が出題されています。ですので繰り返しになりますが過去問は確認の目的で使いましょう。

 
〇編入試験前日・当日


 ここでは編入試験の前日と当日何をしたかについて紹介します。

・前日
  朝8時半頃出発し約7〜8時間かけて東北大学がある仙台まで新幹線で行きました。車内ではほとんど勉強しておらず、波の公式を再確認した程度です。前々日までにかなり追い込んでこれだけやって落ちたらしゃあないくらいの気持ちでいたので、車内にいるほとんどは緊張を和らげるために音楽を聴いたり映画を見たりしました。


 夕方に仙台に到着して東北大学への行き方を確認しました。地下鉄仙台駅から10分くらいで最寄り駅に到着します。東北大学はものすごくキャンパスが広くて最寄りの駅から会場に着くまで時間がかかることも十分あり得ます。募集要項をよく読んで前日に確認することをおすすめします!


  夕食は試験へのモチベーションを上げるべく牛タンを食べました。ホテルでもこれと言って勉強はしておらず化学の参考書をざっくり眺める程度で普段寝る時間の1時間前にはベッドにつきました。ギリギリまで勉強するのもいいですが、前日はしっかりと睡眠をとって最高のコンディションで臨みましょう!

・当日
 緊張していたのか6時には目が覚め、起床してから緊張していたので朝食の時間まで音楽を聞いて気持ちを落ち着かせていました。集合時間の1時間~1時間20分前にはホテルを出発しコンビニで昼食を買ってから地下鉄で試験会場に向かいました。これは東北大学に限らずですが、行きの最中に何が起きるか分からないので余裕を持って出発したほうがいいです。


あとは試験直前になって筆記用具がないとか受験票がないとかならないように出発する前によく確認してから行きましょう。
試験が始まればあとは今までの努力の成果をぶつけるだけです。問題に一通り目を通して解けるところからとりかかりましょう!すべて解けるに越したことはないですが基準点を満たしているかが問題なので、解けるところは確実に点をとりましょう。また、東北大学の試験は解答までのプロセスも解答用紙に書くので部分点もおそらくつくのではないかと思います。ですから、最後まであきらめず時間いっぱい取り組みましょう!


各科目の試験が終わった後はそのことは忘れて次の科目に集中しましょう。
僕は数学と物理で空白が結構あったのですが、化学で点が上がることにかけて数物のことを水に流して化学に取り組みました。前の科目での失敗を考えていると解ける問題も手につかなくなってしまうため、過去のことは忘れ次の科目で失敗しないように集中しましょう。

僕自身、数学のベクトルの問題で小問が1問しか解けなかったり、物理の光の問題は解答こそ書いたものの全然自信がなくて数物ともに6割程の出来でした。

しかし化学では、かなりすらすらと問題が解け見直しする時間も十分にあったため8.5~9割ほどは自信がありました。結果、合格しているので一科目の失敗はその後の科目への姿勢次第では何とかなることもあります。つまり、最後まで受験を諦めないことが何より大切です!

高専から大学編入を考えている皆さんへ


 高専から編入を考えている皆さん、中には受かるかどうか不安な方もいるかと思います。受験に限らず、どんな事にも早めに対策して損をすることはないと思います。不安を解消するためにも、早いうちから編入の勉強に取り組みましょう。
 

そして、大学編入することに決めた人へ最後まであきらめないでください。僕も試験1日目が終わった後は落ちたなと思い2日目の面接に行かずに帰ろうかと思いました。ですが、それでも何かあるかもしれないと最後まであがいた結果、合格をいただいたので最後まで何があるかわからないのが受験です。対策をしっかりして最後まで諦めずに頑張ってください!

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