東京工業大学 環境・社会理工学院建築学系 編入体験記 (令和4年) 高専テクノゼミ現役講師体験談

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自己紹介

こんにちは、令和4年度東京工業大学 環境・社会理工学院建築学系に合格した北村です。今回は高専から東京工業大学編入試験を合格するまでの体験談について書こうと思います。高専から大学編入を考えている高専生にぜひ読んでいただければと思います。

在学高専・学科:徳山工業高等専門学校・土木建築工学科

得意科目:数学、物理、土木建築系専門科目(構造力学など)

苦手科目:建築系専門科目(製図、計画、意匠など)

趣味:スポーツ・アニメ・ドラマ鑑賞

高専での順位

1年:1位

2年:1位

3年:1位

4年:1位

5年:3~5位

高専からの大学編入で東京工業大学を選んだきっかけ

 将来、高専や大学の教職に就きたいという思いがあり、研究室の分野の多様性や熱心な先生方と接することができる東工大の特色が合致していると感じたからです。また、高専の卒業研究で扱った建築物の振動現象に関する理解を少しでも深めていきたいという思いもあり、該当する研究室が複数存在することも決め手となりました。高専から大学編入を目指している皆さんも興味のある分野や研究室など自分の将来を見据えた大学選びをしましょう。

東工大編入の併願校とその理由

 僕は東工大以外に東京大学と島根大学と専攻科を受験しました。以下に併願校ごとの理由と受験内容について示します。

東京大学

理由:「ドラゴン桜」に刺激を受けた。自分自身に対する挑戦の意味合いが強かった。日本最高峰の建築教育が受けられる環境に身を置きたかった。

受験内容:数学、英語の筆記試験、面接(TOEICの提出は任意)

島根大学

理由:地元に近く、地域に根ざした大学生活を送ることができる。

受験内容:面接(リモート)、提出書類

徳山高専専攻科

理由:高専入学時の進路希望であり、環境の変化に困らない。

受験内容:数学、専門(一部免除あり)、面接 

高専から東工大編入の教科別試験対策法

 ここからがメインになりますが東京工業大学編入の対策についてです!

 東京工業大学の編入試験は数学、物理、化学、英語の筆記試験と面接があります。以下に科目ごとの傾向と対策について示します。

 数学(試験時間120分)

  数学は4つの大問で構成されており、メインは以下の2分野です。

  ・微分積分(偏微分・重積分含む)

  ・線形代数(行列式・固有値・対角化)

  一昨年から連立一次方程式の問題がなくなるなど多少出題の変化はありますが、応用数学や確率の出題はなく比較的対策しやすいと思います。

  使った参考書を以下に示します。

  ・高専の教科書・問題集(微分積分/線形代数)

  ・高専の数学3 問題集

  ・大学編入試験問題 数学/徹底演習

  ・線形代数キャンパス・ゼミ

 僕の勉強の順番は、高専の教科書・問題集で基礎を固めてから高専の数学やキャンパスゼミで問題量をこなして徹底演習や過去問を繰り返し解いて仕上げるという感じでした。各科目共通ですが定期試験と同じでいきなり過去問からやらずにしっかり計画を立てて地道に勉強していくことをお勧めします。

物理(試験時間90分)

 物理は3つの大問があり、力学と電磁気学は確実に出題されます。残り一問は熱力学か波動分野から出題されています。

 力学は質点系や剛体の運動、回転運動、振動など幅広く出題されるので基礎固めから怠らないようにしましょう。電磁気学はコイル、コンデンサー、ソレノイド、回路などが出題されており、最近はコイルの出題が多くなっています。熱力学に関しては毎年似た問題が出るので対策はしやすいと思います。波動分野に関しては音波を中心に勉強しておきましょう。

  使った参考書を以下に示します。

  ・高専の応用物理

  ・物理のエッセンス(主に波動)

  ・サイエンス社 基礎物理学演習(力学・電磁気学・熱力学)

 僕の勉強の順番は、まず高校物理の内容を教科書や物理のエッセンス、当時の授業資料を活用して復習したのちに、高専の応用物理を用いて大学物理の基礎固めをしました。そして、基礎物理学演習を活用して問題演習をこなして最後に過去問を解いて仕上げるという流れでした。

化学(試験時間90分)

 化学は6つの大問で構成されており、無機化学2問、物理化学2問、有機化学2問という内訳になっています。物理化学は計算が中心になりますが、無機化学と有機化学に関しては暗記問題となります。

  使った参考書を以下に示します。

  ・化学の新研究

  ・実戦化学重要問題集

  ・化学の基本ノート有機化学編

  ・物理化学の基礎

  ・マクマリー有機化学

  ・有機化学演習ー基本から大学院入試まで

  ・演習無機化学ー基本から大学院入試まで

  ・サイエンス社の黄色い本(物理化学・有機化学)

 僕の勉強の順番としては、まず化学の新研究や化学重要問題集で無機化学を中心に基礎固めをしたのちにマクマリーや基本ノート、物理化学の基礎で各分野の知識を習得していきます。そして、有機化学演習や演習無機化学、サイエンス社の黄色い本で問題量をこなしてから過去問で総仕上げしていきました。

 有機化学に関しては内容が膨大なので早めの対策が必須です。無機化学は比較的取り掛かりやすいので優先順位はあまり高くないです。物理化学は熱力学や波動関数など物理と内容の被りもあるので効率よく勉強することがおすすめです。

英語(試験時間90分)

 英語は大学入試と同じ2問の長文読解になります。出題内容は和英訳、適文選択、英作文など典型的な記述式の英語の試験だと思います。

  使った参考書を以下に示します。

  ・DUO 3.0(英単語暗記用)

  ・英語長文問題精講(長文読解対策)

  ・ドラゴンイングリッシュ基本英文100(英作文対策)

  ・東工大の英語20カ年(いわゆる赤本、過去問代わり)

 DUOとドラゴンイングリッシュで英単語や英作文の対策を毎日コツコツ積み重ねていきます。それと並行して英語長文問題精講を繰り返しこなして長文読解に対して慣れてから赤本で総仕上げをしました。他大学の過去問よりも赤本の方が問題の傾向が近いという印象があります。

 

 東工大はTOEICの提出が必要ありませんが、大学編入を目指すにあたってTOEICの勉強をする人も多いと思います。したがって、TOEICのスコアを早めにクリアして編入試験対策に切り替えることが大事です。

面接

 東工大の編入試験は2日開催で、1日目に数学・物理・化学の試験があり、2日目の午前に英語の試験、午後に面接試験があります。建築学系ということでポートフォリオ(作品集)を持参しました。

  以下に質問された内容を示します。

  ・志望動機

  ・高専の卒業研究について

  ・英語について

  ・大学院修了後の進路について

  ・建築学系で知っている先生

  ・構造系をこれからも究めていきたいのか

 ポートフォリオは3人の面接官が順番に確認していたと思います。いたって普通の質問が多いです。ただし、卒業研究については専門外の面接官もいるので出来るだけわかりやすく説明できるとよいでしょう。また、英語について質問されたときにTOEICのスコアを答えられるとちょっとしたアピールになると思います。さらに、編入しようとする学科や系にどんな先生がいるのかを進みたい分野を中心に下調べしておくとよいでしょう。

面接時間は他に受験生がいないこともあり、30分と長めでした。なるべく平常心で熱意をもって伝えられる訓練をしておきましょう!  

  

  

各試験対策のスケジュール

4年夏休み

 夏休み明けのTOEICテストに向けて勉強していました。この時点では東工大含め編入の勉強はせずにひたすら大学や編入試験の情報集めをしてました。

4年後期

 TOEICの勉強と並行して東大の編入試験の対策として高専の数学や徹底演習、確率の参考書に取り組んだり、ドラゴンイングリッシュや長文精講を時間を見つけては勉強したりしていました。

 高専の授業もあったので平日は多くても3〜4時間、休日は5〜6時間ほどの勉強時間で両立を図っていました。

4年から5年にかけての春休み

 東大対策の勉強は継続し、TOEICスコア700点を目指して追い込みました。結果3月に710点を取得できたのでTOEICの勉強は終了しました。また、専攻科の専門科目受験を免除するため、土木技術検定試験の勉強もしていました。さらに、物理のエッセンスを利用した高校物理の復習や化学の新研究や化学重要問題集、物理化学の基礎や講義資料を利用した化学の勉強に取りかかりました。

 勉強時間は1日当たり10時間を目安にしていました。

5年4月

 専攻科入試の書類準備や面接練習、東大の書類準備と並行して東大対策の勉強は継続していました。

5年5月

 専攻科入試が近づいていたので数学の勉強や面接練習に注力していました。その後は、東大対策の比重を高めて勉強していました。

5年6月

 東大の編入試験が迫ってきたので学校の図書館で参考書を借りて同じく受験する友達と一緒に追い込みを図りました。

5年7月

 東大の1次試験が終わり、2週間の自宅待機中から東工大の編入対策に本格的に切り替えました。

 数学はキャンパスゼミや徹底演習を活用してとにかく問題量をこなし、過去問にも取り組みました。物理や化学は高専の応用物理や基本ノートを活用して大学レベルの物理や化学の勉強をし始めました。英語は東大での対策を継続することに加えて、DUOを活用して単語を記憶し直しました。また、他大学の過去問で傾向の似ているものを解きました。

5年夏休み

 夏休みに入ったため勉強時間も確保できたことから一気に追い込みに入りました。

 数学は徹底演習や過去問を繰り返し解いていました。物理はサイエンス社の黄色い本を活用して過去問に近い問題をピックアップして取り組みました。それと並行して過去問を解いて知識の定着を図りました。化学はサイエンス社の黄色い本や演習無機化学、有機化学演習と過去問を比較して近い内容の問題をひたすら解いて、過去問も併せて取り組みました。英語は赤本で総仕上げを図りました。また、面接で話す内容を先生に添削してもらっていました。

 過去問は慣れておくために試験時間に曜日や時間を合わせて解きました。また、過去問は同じ問題が出るわけではないのであくまで仕上げの一環として活用しましょう。 

 
編入試験前日・当日

 ここでは編入試験の前日と当日の流れについて書いていきます。

前日

 朝10時ごろに出発し4時間ほどかけて品川へ新幹線で移動しました。車内では不安だった化学の過去問を確認する程度でした。緊張と乗り物酔いで体調がすぐれず、酔い止めを飲まなかったことをすごく後悔しました。

夕方に品川に到着してすぐホテルへ移動しました。コロナが流行している状況もあり、下見はしないことにしました。しかし、当日焦らないためにはホテルから大学の試験会場への経路をしっかり確認しておいた方がいいと思います。

夕食はコンビニで購入して軽く済ませました。ホテルでは1日目の数学・物理・化学の公式を参考書で軽く確認しました。また、夜更かしはせずにいつもと同じくらいの時間に寝ました。当日に最高のパフォーマンスを発揮するために無理はしないことが大事です!

1日目

 緊張で早朝に目が覚め、受験票や筆記用具など持参物の確認を入念に行いました。朝食を済ませて試験時間の1時間前にホテルを出発しました。電車と徒歩で試験会場に移動しました。時間ギリギリに到着し、焦って試験室の隣の部屋を開けてしまいました。したがって、何が起こるかわからないので時間は30分ほど余裕をもって移動するようにしましょう。

 試験が始まれば自分との戦いです。最初に1通り問題を見て解きやすそうな問題から順に解いていきましょう。また、時間配分を考えて問題の優先順位をつけながら効率的に解いていくことで得点の取りこぼしが少なくなると思います。さらに、終わった科目のことは引きずらずに忘れて次の科目に切り替えることが重要です。

 試験解答については数学と化学は全部記述式で物理も一部の問題は記述式が採用されていました。したがって、最終的な答えが出ていなくても解答過程で部分点が与えられる可能性もあるということです。僕は3科目共通でとにかく解答欄を全て埋めることを心がけていました。

 3科目の試験終了後、ホテルに直帰し2日目の英語の対策としてDUOやドラゴンイングリッシュを見返し、面接内容を先生に最終確認してもらいました。

2日目

 1日目の失敗を繰り返さないために、より時間に余裕をもって試験会場へ移動しました。英語の試験は時間が余ったため、じっくり見直しすることができました。午後の面接会場は筆記の面接会場から距離があったため、昼食をとった後に早めに移動しました。面接会場の隣で待機して最後の確認をしたのちに30分間の面接試験に臨みました。緊張はしましたが、自分の良さを全てアピールするぞという強い気持ちを貫くことができました。

出来は数学が7〜8割、物理・化学が5〜6割、英語が9割だと思います。

高専から大学編入を考えている皆さんへ

 大学編入を考えている高専生の皆さん、勉強するにあたって不安や心配も多いことかと思います。その度に自分で抱え込まず家族や同級生や先輩、先生など話しやすい人に相談してみると自分にない視点から助言をもらえたり、前向きになれたりすると思います。

 また、何事もそうですが早めの対策や最後まであきらめないことが何よりも重要です。1日目が終わった時点で2日目の試験を受けても自分は合格するのかという考えがよぎったこともありましたが、これまでの努力が無駄になると思い最後まで頑張った結果、合格することができました。

 しっかりと時間をかけて準備して合格を実現させてください!応援しています!

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