九州大学工学部編入体験記(令和3年) 高専テクノゼミ現役講師体験談

こんにちは、令和3年度九州大学工学部電気情報工学科に合格した斉藤です。
今回は久留米高専から九州大学工学部編入試験合格に至るまでの体験記を書こうと思います!
あまり勉強が得意でなかった自分が取り組んだ勉強方法や編入学の攻略方法は多くの高専生に役立つと思うので、高専から大学編入を考えてる方はぜひ最後まで読んでいただければと思います。


自己紹介

在学高専・学科:久留米工業高等専門学校・電気電子工学科
得意科目: 英語、数学、電気系専門科目
TOEICスコア: 820点(L…420点 R…400点)
趣味: スポーツ(バスケ)、競プロ、旅行(国内、国外)

高専での順位
1年:6位
2年:5位
3年:4位
4年:3位
5年:1位

高専からの大学編入で九州大学を選んだきっかけ

 僕は他の受験生のように「~の研究室に入って~の研究をしたかったからです!!」のような理由はありません。 自分は「どの大学に行くか」も大事ですが、それよりも「そこで何をするか」の方が大事だと考える派なので、何をやりたいかは大学に入ってから決めようと楽観的に考えていました。

それを踏まえて、九州大学を選んだ理由は

・受験科目と学科が自分に合っていた事

・高専よりもステップアップできる場所として最適だった事

・実家にいつでも帰れて、いつでも大好きな豚骨ラーメンが食べれる事

の3つです。

あまり参考にはならないかもしれないですが、やはり現状よりも成長できそうな大学に行くことが良いのかなと思います。実際自分自身も、九州大学の工学部に編入学して、自分よりもはるかに能力の高い人と出会い、日々刺激を受けながら少しずつ成長できている気がします。

九州大学編入の併願校とその理由

 僕は九州大学以外には本科専攻科を受験しました。九州大学に合格できなければ専攻科に行くつもりでした。理由は単純で、先ほど述べた理由に加えて、高専在学時に行った卒業研究である程度の成果が出ており、その研究を続けるのも楽しいのかなって感じていたからです。他の大学は特に考えていませんでした。

高専から九州大学編入の教科別試験対策法


 九州大学の工学部電気情報工学科編入試験は数学、英語の一般科目2科目と電気回路、(電磁気、計算機工学のうち1つ選択)の専門科目2科目の合計4科目と面接があります。
 ここでは科目ごとに僕がどのような参考書を使って勉強したか紹介したいと思います!

 九州大学編入試験の数学の傾向


  数学は大問が4つで構成されています。

  出題範囲としては
  ・微分方程式
  ・フーリエ、ラプラス変換
  ・行列
  ・確率・統計          などが主に挙げられます。


 九州大学の数学は他の大学と比べても比較的簡単だと思います。しかし、出題範囲が広く、数年に一度は複素関数やベクトル解析などが出題され、範囲が絞れないのが特徴だと思います。また九州大学には確率・統計の先生が多く、編入学試験の内容にもそれが反映されています。なので、範囲を絞りすぎず、周りと差をつける意味でも確率・統計は詳しくやっておいた方が良いと思います。

編入数学徹底研究

編入数学入門

細野真宏の確率が本当によくわかる本

僕は編入数学徹底研究と九州大学の過去問を主に使いました。僕はあまり多くの参考書を使うのが好きではなかったため、一冊の参考書を完璧にする作戦をとっていました。そこで補えなかった知識については他の2冊を使用したり、インターネットやYouTubeなどを活用したりして補っていました。九州大学の電気情報工学科を受験する方は行列や微分積分、ベクトル解析を先に復習すると、電気回路や電磁気学などで問題を解くときの助けになると思います、なのでこれらは先に手を付けておきましょう。

 九州大学編入試験の英語の傾向

九州大学の編入試験の英語は旧帝大学の中で最も簡単であるといわれていて、英語試験の内容は長文和訳(2~3問)、英作文(10個くらい)により構成されています。出題される長文は毎年内容が変わるため範囲は絞れないので、基礎的な英単語力や英文法が必要です。英作文は例年比較的単純なものばかりでしたが、自分が受験したときは難化していたこともあり、ある程度の対策が必要になるのではないかと感じました。  


Vision Quest

Distinction

ポレポレ英文読解


 VisionQuestは高専入学時に購入させられたもので、基本的な英文法は全てこれで復習しました。この一冊の内容が8~9割程度理解できていたら英作文対策は特に必要ないと思います。

Distinction2000は幅広い分野でアカデミックな英単語を学べるので、九州大学の長文対策にはとても適していると思います。まずは徹底的に、この2冊を頑張りましょう、英文法を勉強するときのコツは自分で文章を作ってみる事だと思います。英文法は敬遠されがちですが、英文読解には必要不可欠なのでこの機会にぜひ学びなおしてみてください。

ポレポレは余力があればやってみてください。

九州大学編入試験の電磁気の傾向

電磁気学 (電気電子工学シリーズ) 

電磁気学演習 (理工基礎物理学演習ライブラリ) 

電磁気学演習


 一つ目の参考書は実際に九州大学の授業で使われている参考書です。この参考書は九州大学の電磁気学の試験を選んだ人は必ず繰り返し解きましょう。これは例題、演習問題を一通り解いた後に、例題になっていないような内容でも隅々まで勉強しましょう。個人的には分極ベクトルや電気映像法、仮想変位などを用いた例題が重要だと思います。

またこの教科書は内容が偏っていることや誤植が多いことから、2つ目の参考書の電磁気学演習を行いました。この本によって電磁気学の基礎的な考え方や解法はイメージで学ぶことができ、また複数の解き方が載ってあったので、非常にやってよかったです。

三つ目の詳解電磁気学演習は問題数が非常に多いので過去問などとも見比べながら問題を選んで部分的に解きましょう。またどの大学でも過去問は答えがない場合がほとんどなので、この参考書から似た問題を探し解き方を学んで過去問のヘルプとして活用するのがいいと思います。

九州大学編入試験の電気回路の傾向

例題と演習で学ぶ電気回路

電気電子工学シリーズ 電気回路

電気回路演習

一つ目の参考書は高専在学時に授業で使用されていた電気回路の教科書です。最初はこの参考書を一通り行って電気回路の総復習を行いました。この例題で学ぶシリーズの続きも同様に行い、二端子対回路や過渡解析などを学びました。九州大学では例年、交流の解析が二問と過渡解析が一問出ています。また数年に一度、2端子対回路の問題が出題されています。過渡解析はしっかり問題数をこなして本番でも解けるようにしてください。

二つ目の参考書は実際に九州大学の授業で使われている教科書です。編入学試験の専門教科は、その学科の専門の先生が作っているので、これは個人的にやったほうが良いと思います。過去問を見る限り似たような問題が出ているパターンは少なかったのですが、今年は丸々似たような問題が出ており、そのおかげで本試験でも解くことができました

最大電力に関する問題や、位相に関する問題などはこの参考書にわかりやすく解説されており、過去問でも出題されることが多いのでやっておくのが得策です。詳解電気回路は二冊とも問題数が非常に多いので、電磁気と同様に過去問などとも見比べながら問題を選んで部分的に解きましょう。

九州大学編入試験の面接の傾向


九州大学の受験は二日開催で二日目に面接があります。

至って普通の面接で時間は10〜15分ほどです。
  ・志望動機(簡単に)
  ・行きたい研究室(その研究室の教授の名前)
  ・併願大学とその合否(答えられる範囲)
  ・TOEICの点数と勉強方法(英語の質問が何個か続いた)
  ・将来は海外で働きたいか、またそれは専攻科でも変わらないのか

覚えている範囲ではこのぐらいでした。面接はあまり重要視されているとは思いませんでしたが、志望理由、なぜ九州大学じゃないとダメなのか、卒研の研究内容、くらいは答えられるようにしておいたほうが良いと思います。
  

受験勉強の勉強時間について

受験勉強の勉強時間は下記の形で取り組みました。

冬休み&コロナ休暇(12月~5月)1日6~7時間くらい

遠隔授業(5月~6月)1日4~5時間くらい(授業や課題の時間を除いて)

対面授業(6月~8月)1日6時間くらい (授業や課題の時間を除いて)

(このころから授業も聞かなくなり、課題もだいたいは他人に見せてもらっていた。実験のレポートも実験中に適当に書いたりして提出していた。授業が終わると図書館にこもって閉館の時間まで勉強していた。)

夏休み期間(8月~当日まで)1日10時間以上(詰め込み期間)
 

5月~6月は友達と遊びに行くなど、まったく勉強しない日もあったし6月までは塾のバイトをやっていました。よって平均すると勉強時間は少ないですがかなり集中して勉強していました。自分は受験用の英語の勉強はほとんどしなかったので勉強時間は英語の勉強時間も含めてプラス1時間くらいで考えてもらうと参考になると思います。


九州大学編入試験 当日

[数学]

試験当日は前日の緊張から一睡もできずに試験に挑みました。しかし数学は例年よりも内容はかなり易しくなっていたことや、微分方程式、フーリエ、ベクトル解析など自分の得意範囲からの出題などによって実感では9割程度解けた気がしました。計算ミスにも幸い気付くことができたので、冷静でいることが必要だと思いました。数学は配点が高いので、ここでミスをすると残りの他の科目に影響するので気を付けてください。

[英語]

英語は例年に比べてかなり難化していると感じました。長文は訳す文章が非常に難しく、そして量が多かったです。英作文は過去一番難しかったです。今回は数学に関する英作文が多く対策できていなかったのが痛手でした。実感では6~7割ほどしか解けませんでした。

[電気回路]

過渡解析のパターンが変わっており、少し当惑しましたがなんとか答えにたどり着けました。実感では10割解けたのですが、過渡解析の解答が間違っていれば7割程度だと思います。

[電磁気]

試験では、磁気回路の問題が出たのですが、この範囲は過去問にも出題例が無く、自分自身も苦手としていた範囲なので、さっぱり解けませんでした。また、その他の大問でも誘導問題の序盤にミスを犯してしまい、その後の問題もドミノ倒しに間違えてしまいました。部分点があるのかどうかは謎なのですが、もし無いとすれば4割程度しか取れてないと思います。電磁気学は過去の先輩の体験談などでも点数が取れない教科と言われているので、ここで頑張れば周りの受験生と差をつけられると思います。

高専から大学編入を考えている皆さんへ


 ここまで、長い記事を読んで頂き本当にありがとうございました。編入学試験は普通の受験と違って大学の出題傾向や対策方法などの情報戦もかなり入ってきます。自分自身としても、九州大学の編入学試験を受験する際には情報収集にはかなり苦戦しました。そこで、今回の体験記が、今後受験する人への手助けになればよいと思い書きました。そしてこの記事を最後まで目を通して頂いた時間は無駄にはならないと思います。

僕は最初にもお伝えした通り、他の受験生よりも能力が高く、勉強効率が良かったわけではありません。しかし、他の受験生よりも少しは早めに勉強を始めたことや、分からない事は、先生や友達にわかるまで質問したり、ネットを利用したりして様々な工夫をしました。受験期に努力したことはいつか必ず役に立つと思うし、自分がやるべき事を明確化して地道に勉強していく過程は必ず今後の糧になると思います。なので、最後まで悔いが残らないように頑張ってください!

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