高専卒九大生が語る!高専からの大学編入のメリット・デメリットとは?

編入学から1年たちました、九州大学 電気情報工学科4年のEYです。私は高専テクノゼミで数学・物理・電気系科目の講師をしております。

現在は、超伝導同期発電機の研究をしています。また、超伝導を使った変圧器や誘導電動機を研究開発していて、最終的にゼロエミッションの空飛ぶクルマの製作を目指しています。

高専時代に聞く高専OBの話は、高専と会社の話が多く、大学編入の体験を聞く機会はあまりないです。編入試験を受けた人の体験談はネット上にある程度ありますが、編入後の話は直接本人とつながっていないと聞けないことが多いです。今回は、高専から大学に入って感じたメリットを6つ、デメリットを5つお伝えしたいと思います。

メリット

高専から大学編入することで最先端の研究に携われる

高専に比べ大学には研究室に先輩が大人数所属している

高専で開講されていなかった科目を学べる/専攻変更ができる

1人暮らしすることができる

(総合大学の場合)高専から大学編入することで、工学部以外の学生と交流できる

大学の素晴らしい設備を使用できる

デメリット

高専から大学編入するとすぐに院試がある

高専から大学編入すると高専と同じ科目を履修することがある

高専から大学に編入する人は少数派

1人暮らしではすべて自分でやらなくてはならない

生活費がかかる

まずはメリットを 6つ紹介します。

高専からの大学編入することのメリット

高専から大学編入することで最先端の研究に携われる

引用:https://unsplash.com/photos/oCLuFi9GYNA


大学により差異はありますが、高専と比較して大学は研究施設がそろっているため、自由に実験できる環境にあります。私は超伝導に関する研究室に所属していますが、高専に比べて実験装置や数値解析ソフトなどの十分な設備があり、よい環境で研究ができていると感じています。企業との共同研究をしているところも多く、研究をしたい学生にはこれ以上ない環境です。

とくに、大学院修士課程に進学すれば国際会議での発表の機会があり、高専本科では得られない貴重な場を経験できます。

高専に比べ大学には研究室に先輩が大人数所属している


メリット1に関係する話ですが、研究室に多く先輩が所属している点も大事な点です。高専には本科5年卒業後に進学できる、専攻科という2年制の学習機関があります。専攻科生がいる研究室では、5年生にとって先輩に相談ができる機会がありますが、いないところでは指導教員と5年生だけになります。

教員は研究室の全学生をの指導をするため、いつでも相談できるとは限りません。そのため、気軽に相談できる先輩がいる環境で研究をできるのは大学編入のメリットだと思います。研究室によっては、修士2年から学部4年までの研究グループが作られるので、孤立せず研究できると感じています。

高専で開講されていなかった科目を学べる/専攻変更ができる


高専の先生にはそれぞれ専門分野があるので、分野によっては詳しく勉強できないことがあります。そのため、高専間で開講されている科目に違いが生まれることがあります。もちろん、国立高専ではモデルコアカリキュラムの内容を必ず学習します。

しかし、その範囲を超えたところは各高専の裁量です。そこに、先生が教えられるかというのも加味されてきます。例えば電気系の学科では、現代制御理論や高電圧工学、電気法規という科目は、開講されている高専とそうでない高専があります。大学では開講されている科目が多いので、現代制御理論や高電圧工学、電気法規のような科目を学ぶことができます。

また、電気系学科出身だが情報系の学科に大学編入したという、大学編入によって専攻を変更したという人も多いです。専攻を変更した場合、編入後に履修する科目は高専時代習ってこなかった科目が多いです。専攻を変更するのは大変ですが、大学の授業を利用して新しく学び始めることができます。そこに、編入生という同じ境遇の人がいるのは心強いと思います。

補足:授業科目は3、4年で開講されているものは選択科目である場合が多く、高専のときよりも自由に授業履修することができます。

1人暮らしすることができる

引用:https://unsplash.com/photos/APDMfLHZiRA


この項目は当てはまる人が限定されるかもしれません。高専では多くの学生が実家から通学したり、寮に下宿する人が多いですが、大学生になると一人暮らしを始める学生が大半です。1人暮らしは実家暮らしと比較して自由が多いです。食事に関して私は自炊がほとんどなので、そのメニューを考えて料理するのが一つの息抜きになって楽しく感じます。

最初の4月は試行錯誤の生活かもしれませんが、1年たつと裁量が分かるようになってきました。案外1人暮らしはいいものだと1年たって感じました

(総合大学の場合)高専から大学編入することで、工学部以外の学生と交流できる


大学にはサークルという部活動のようなものがあります。私は、鉄道研究同好会に入っています。そこでは工学部以外に理学部や文学部など、様々な専攻の学生とつながりを持つことができます。高専5年間では工学を専攻している学生としか触れる機会がないと思います。

大学に入って様々な学生と交流ができ、学生個人の視野を広げられます。社会には工学を専攻している人以外にたくさんの人がいます。そのため、そういう場に出向ける機会があるのは将来的に良い経験なのかなと思います。

大学の素晴らしい設備を使用できる

メリット1でも挙げましたが、大学の設備は素晴らしいです。研究設備だけでなく、図書館や売店、食堂などがとても印象に残りました。


図書館
高専の図書館に比べて大学の図書館は蔵書数が多く、勉強や調べものに苦労があまりないです。購入する気はあるが売店(後述)にない本を試し読みすることができます(だいたいあります)。

売店
高専の売店は飲食物や文房具のみを売っていることが多いです。しかし、大学にある売店では書籍を購入することができます。わざわざ別の場所に買い物へ行かなくてもキャンパスに行くついでに購入でき、便利です。

食堂
高専の食堂はメニューの種類が多くなくて、定食がよく売り切れになっていました。一方、大学の学食はバリエーションが豊富で、飽きることなくおいしい食事をいただくことができます。

ここまで、メリットを6つほど多く挙げさせていただきました。ここからは5つほど、デメリットを挙げさせていただきます。

高専からの大学編入することのデメリット

高専から大学編入するとすぐに院試がある

引用:https://unsplash.com/photos/_zsL306fDck


高専から大学へ編入する学生は研究したいと思っている人が多いです。そのため、大学院修士課程への進学を視野に入れます。

しかし、編入後1年余りで院試を受ける必要があります(豊橋技科大や長岡技科大は例外です)。大学院によっては学科試験免除になることがありますが、他のところでは学科試験のための勉強をしなければいけません。研究室によっては、院試勉強の期間が設けられているところがあります。

また、現在は英語試験をTOEICやTOEFLに代替するところが多いため、その対策を早めにしなければいけません。4年からは研究室の活動が始まるので、私は3年のうちにTOEICのスコアを用意しました。

高専から大学編入すると高専と同じ科目を履修することがある


高専のカリキュラムは大学の工学部と同程度のことを学習できるように組まれています。専攻科のカリキュラムはそれに接続性を持たせ、さらに発展的な内容を学びます。

一方、高専と大学のカリキュラムは接続性がないため、3、4年で開講されている科目がすでに学習済みという現象がよくあります。例えば、アナログ電子回路やデジタル電子回路は高専の電気系なら必ず学びますが、九州大学では3年に開講されていて、ほぼ同じ内容です。

しかし、学びなおしという視点でみたり、そういった科目への勉強時間を他に有意義に使えると思ったりするとメリットになると考えられます

高専から大学に編入する人は少数派


豊橋技科大や長岡技科大は例外ですが、大学では編入生は少数派です。多数派の学生は1年生からのつながりがありますが、編入生は新たに関係を構築する必要があります。最初は大変でしたが、サークルの学生は快く受け入れてくださり大変ありがたかったです。

1人暮らしではすべて自分でやらなくてはならない


メリットに書いた、1人暮らしは自由が多いというのは、反面やらなくてはいけないことも多いです。授業を受けて疲れた中、食事だけでなく、洗濯、掃除などあらゆる家事をこなさなくてはいけないです。しかし、やらなくて誰か助けてくれる人がいるわけではないので、その意味で大変なこともあります。そのため、編入によって実家を離れる場合、実家にいるうちから様々な家事を経験するのも大事かと思います。

生活費がかかる


高専のときは、実家暮らしの学生は生活費がかかりませんし、寮生は寮関係の費用がそこまで高くないです。大学の場合、アパートを借りて食費や光熱費を実費で支払う必要があります。そのため、人によってはアルバイトをしたり、奨学金を受給したりする必要があります。私は、アルバイトとして高専テクノゼミでの講師をしていて、JASSOの給付奨学金を受給しています。JASSOの給付奨学金は学部までなので、修士のときの生活費を賄えるよう計画的にお金を使っています。

以上のメリット・デメリットから次のような人に大学編入をおすすめします。

高専からの大学編入はこんな人におすすめ


高専で学んだことをさらに深めていきたい人
電気系だったら大学の電気系の学科に進学して、さらに自分の専門を深めたいひとにはおすすめです。


高専で学んだこととは違うことを学びたい人
電気系だけど情報について学びたいと思っているようなひとにはおすすめです。


大学院に入って研究をしたい人
大学院まで進学して研究したいと思っている人にはおすすめです。

最後に、今回ご紹介した高専からの大学編入のメリットデメリットをまとめます。

高専からの大学編入のメリット・デメリットまとめ

メリット
高専から大学編入することで最先端の研究に携われる
高専に比べ大学には研究室に先輩が大人数所属している
高専で開講されていなかった科目を学べる/専攻変更ができる
1人暮らしすることができる
(総合大学の場合)高専から大学編入することで、工学部以外の学生と交流できる

デメリット
高専から大学編入するとすぐに院試がある
高専から大学編入すると高専と同じ科目を履修することがある
高専から大学に編入する人は少数派
1人暮らしではすべて自分でやらなくてはならない
生活費がかかる

この記事がみなさんの進路選択の一助となれば幸いです。

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