高専と進学校はどのような違いがあるか徹底解説!!勉強は?塾は?進路は?

工学系に興味がある中学生が一度は検討する、進学校と高専。あなたはきっと、高専に興味があるけれど、高校との違いや高専に行くことでのデメリットを知りたいという思いでこの記事を見つけられたと思います。今回は勉強、授業の内容、進学率、就職率、部活・サークル、高専に行くことのデメリットの観点で高専の実態をご紹介します。

高専はどのようなことを勉強するの?専門科目とは?

高専では高校と全く異なる領域を勉強します。最初の2年は一般の高校と似たような科目(国語、数学、日本史、政治経済など)を学びますが、同時に工学系の授業を学びます。そのため、必然的に科目数が多くなることが高専の大きな特徴です。具体的には僕が高専3年生の時、テストの数は15科目もありました。(一般の高校では7科目程度と聞いているので、倍の科目数です)

したがって、高校から専門を学ぶことができるというメリットと同時に、勉強科目が多いという特徴があげられます。

高専の勉強の難易度は高いっていうのは本当?

高専の特徴として、理数系科目が難しいというものがあります。例えば一般の高校が3年で学ぶ微分積分は高専の場合2年の前半で習い、3年ではそれを応用した領域(線形代数、微分積分学など)を勉強します。したがって一般の高校に比べて数学の進行スピードがとても速く、また難しくなってしまいます。

これは必ずしも悪いわけではないと思いますが、実際に高専生の15%程度が留年してしまう大きな原因に、この科目数の多さと理数系科目の難易度が絡んでいることを把握しておく必要があるでしょう。(一方文系科目は非常に簡単です)

ロボコンには出場できるの?

高専の特徴として、コンテストが多く開催されていることがあげられます。ロボットコンテスト(通称ロボコン)、プログラミングコンテスト、AI系のコンテスト、人工衛星の設計コンテストなど。これらの専門的なコンテストに高専一年生から自由に参加することができます。

これは高専の大きなメリットで、高校生は3年後のセンター試験・大学試験に備えて勉強をするなか、高専では実際に手を動かして実践的にテクノロジーを学ぶことができます。

高専の雰囲気

学校の雰囲気は進学校に比べ高専のほうが自由でより大学に近いです。たとえば多くの高専で、バイトが許可されていたり、カバンなどの指定がなかったり、なにかとゆるいことが多いです。また、授業においても選択授業が多く、自分で勉強したい科目を自主的に選択する権利が高専生には与えられています。その理由は、高専は高等教育機関に属し、生徒ではなく学生として扱われるためです。学生として扱われる分、多くの自由が許されていますが、その分自分自身を律する能力が試されるでしょう。

高専から大学への進学はおすすめ?

具体的な将来の夢が決まっていない・工学以外の学部に入学したいと考えているのであれば、進学校がおすすめです。ただし大学で学びたい方向性が工学と決まっているのであれば、高専に行くことを勧めます。その理由は2つです。

理由1:高専では専門科目を高専一年生から学ぶことができるから

まず、高専では大学生が学ぶような専門的な工学の科目を高専一年生から学ぶことできます。みんなが古文を勉強している間に例えばプログラミング言語を学べることは非常に有益で、大学に入ってから大きな差がつきます。現に私は高専卒業後東京大学に所属していますが、高専生のプログラミング能力や技術力は東大生を抜きんでています。

「自分でサーバーを立ててアプリを作ったことがる人、手を挙げて」と東大の教授が言うと、クラスの中で高専出身の人のみ挙手していたのは象徴的な出来事でしょう。

理由2:高専で体験することは十分大学に通用するから

高専で体験できることは十分大学入学後に活用することができます。たとえば私は高専の在学中に下記のようなことを経験しました。

  • 京都大学と共同研究で宇宙太陽光発電に必要な無線送電の受信アンテナを研究開発、日本レクテナコンテストで金賞受賞
  • 超音波による金属軟化効果、ブラハ効果についての研究
  • 人工衛星の設計、シミュレーション
  • エアバッグの機械性質解析のために、牛の脊髄を取り出し引張試験
  • ルンバのような自動清掃・運搬ロボットの自作

このようなことを一般の高校生が体験することはとても難しいでしょう。しかし高専ではそれを学ぶことができたのです。もちろん、東大に入ってからもこの経験は非常に役立っています。

高専の就職率

高専の就職率は100%です。しかしデメリットもあり、高専からダイレクトに就職することで、残念ながら多くの会社で高専卒の給料が低い、大卒と異なる出世コースに乗らざるを得ないという状況が起こっています。現在文部科学省大臣が「高専卒を大卒並の給料に」という発言をし、少しずつ環境がよくなってはいますが、依然多くの企業では高専生が大卒より低い条件・給料で雇用されているケースも珍しくありません。

ちなみに僕は、この懸念が強く東京大学への編入学を決意しました。そしてこの決断は大成功だったと考えております。また、一部の会社ではすでに高専生を好待遇で迎えている企業もあるので、そのような企業を探し出し、就活するという手も有効でエス。

部活・サークル

部活・サークルは非常に自由です。多くの高校よりも多様性にあふれているでしょう。自分でサークルを作ることができるので、例えば僕の高専ですと「囲碁同好会」「英語に親しむ同好会」などが存在していました。自由で多様な学生生活を送れる、これが高専の良さですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?高専と進学校での違い、少しは明らかになりましたでしょうか。僕は高専出身ということもありますが、実際に高専と大学を両方経験してみて、高専に言ってよかったと本当に思っています。

就職をしたい人は就職し、大学に行きたい人は大学に行き、というキャリアの多様性がある高専です。工学系を目指すのであればぜひ高専に入学することを勧めます。

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