東北大学工学部機械知能・航空工学科編入体験記(令和3年) 高専テクノゼミ現役講師体験談

 http://www.library.tohoku.ac.jp/agr/より引用

こんにちは,令和3年度東北大学工学部機械知能・航空工学科に合格した篠田敦志です。​​今回は高専から東北大学編入試験に合格するまでの体験談について書こうと思います。高専から大学編入を考えている高専生にぜひ読んでいただければと思います。

自己紹介

在学高専・学科:徳山高専・機械電気工学科

得意科目:材料力学,電気電子回路

苦手科目:数学,物理

TOEIC:675点

趣味:ソフトボール,野球観戦,筋トレ

高専での順位

1年:3位

2年:1位

3年:1位

4年:1位

5年:2位

高専からの大学編入で東北大学を選んだきっかけ

私は医工学分野にとても惹かれ,それらについて研究ができる,かつレベルの高い大学に行きたいと考えていました。

理由としては,

  • レベルの高い大学ほど研究レベルや設備が充実している 
  • グローバル的なことにも力を結構入れている
  • 優秀な学生や多種多様な人がいて刺激的な人生が送れる
  • 高専卒では管理職がメインであるので開発・研究などしたいなら大学で研究するしかない
  • 目標や夢などの可能性を広げられる

などの理由です。

初めは旧帝大のなかで唯一「医工学コース」があり,研究に力を入れている東北大学を第一志望に考えていましたが,レベルが高いと思い,近場の旧帝大で医工学関連の研究を行っている九州大学があったので,そこに推薦で入ろうと考えました。しかし,九州大学は不合格となり,結果として東北大学に合格できました。また,試験内容も他の旧帝大に比べて難しくはないと感じたので勉強すれば編入できると感じたことも理由です。

北大学編入の併願校とその理由

私が併願したものは2校あり,1つ目は九州大学機械コース,2つ目は筑波大学です。

 九州大学は高専の成績が良かったことと合格率が高い,また医療ロボットのような医工学分野を学べそうな研究室もあったため,推薦で九州大学を受験しましたが不合格になってしまいました。そのため,第一志望の大学は九州大学かと思われますが,私の中では東北大学に第1志望として行きたい気持ちはありました。

しかし,推薦が取れることや,九州大学でも医工学系の研究ができそうだったので受験したという流れになります。その結果不合格になり,残り数か月で東北大学を受験し合格したため,結果としては私の第一志望に行けてよかったです。

 筑波大学は東北大学の合格発表が受験前にあったので,出願だけして当日受験はしていません。また,専攻科にも出願しようと思っていましたが,その前に合格したため出願していません。

高専から東北大学編入の教科別試験対策法

それぞれの試験科目は以下のようになります。

 数学…空間ベクトル,平面ベクトル微分方程式,線形代数,漸化式など

 英語…TOEICによる評価

 物理…力学,熱力学,電磁気,波動・光

 化学…理論化学,有機化学,無機化学,大学化学(物理化学など)

 面接…試験官3人程度による軽い面接

それぞれの対策については以下のように行いました。赤文字で示したものは個人的に大変良かった参考書になります。

数学

  • 自分の志望大学の数学範囲を過去問などで確認
  • 編入試にでる単元を重点的に勉強する
  • 過去問と問題集などを解きまくる

 

 受験する人は東北大学だけではないと思うので,まずは自分の志望大学や併願校の範囲を過去問やホームページなどから見て傾向を分析するのが良いです。その後,その範囲を重点的に勉強して過去問でどれくらい採れるか確認したら良いと思います。また,過去問の解答は早めに先生にお願いしたほうが良いです。

使用教材は以下のようになります。

  • 大学編入のための数学問題集
  • 編入数学徹底研究
  • 編入の線形代数徹底研究
  • 編入数学過去問特訓
  • 編入の微分積分徹底研究
  • 大学・高専生のための線形代数

物理

  • 過去問から範囲を確認
  • 基礎的な知識から勉強し,応用を解いていく
  • 概念や意味をしっかり理解する

 

 物理は過去問を解かなくて良いと思います。理由としては,同じ問題や似た問題は出にくいためです。過去に出た問題以外から出題されるので予測するのもカギだと思います。他大学の過去問を解くのは効果的なのでおすすめです。(私が受験した年の東北大学の物理の問題は,過去に東工大で出題された問題の類似問題でした)

 使用教材は以下のようになります。

  • 物理のエッセンス 力学・波動
  • 物理のエッセンス 熱・電磁気・原子
  • 名門の森 力学・熱・波動Ⅰ
  • 名門の森 物理波動Ⅱ・電磁気・原子
  • 弱点克服 大学生の初等力学
  • 弱点克服 大学生の電磁気学
  • 基礎物理学演習
  • 電気磁気学 森北出版
  • ビジュアルアプローチ 力学

化学

  • 高校範囲の化学がメイン
  • 大学範囲も出題されることもあるが諦めても大丈夫

 化学を高専生は苦手意識があるため,諦めてしまいがちです。しかし,東北大の場合,一番の得点源だと感じました。化学は,ほとんど高校化学の範囲なので暗記すれば8割は取れる可能性があります。私の場合,勉強時間が足りず有機を仕上げることができませんでした。そのため,早めに暗記には取り掛かるべきです。3か月くらい勉強すれば時間は足りると思います。東北大の場合,過去問から傾向を見てどの問題が出そうか予測,あとは解いてみるのも良いと思います。

勉強の順番としては,理論化学からやり,その後無機と有機化学どちらから進めても構いません。(暗記したいなら有機)大学化学の範囲も出題されることがありますが,周りの受験生もそこまで対策していないことや,他の所に勉強時間を充てた方が得点としては上げやすいと思います。私の年は大学化学の範囲は出題されませんでした。

 使用教材は以下のようになります。

  • 鎌田の理論化学の講義
  • 福間の無機化学の講義
  • 鎌田の有機化学の講義
  • 橋爪のこれだけで合格! 理論化学25題
  • 橋爪のこれだけで合格! 無機化学25題
  • 橋爪のこれだけで合格! 有機化学25題
  • 理系なら知っておきたい化学の基本ノート 物理化学編
  • 化学基礎問題精講

英語(TOEIC)

英語に費やした時間は合計200時間ほどです。毎日コツコツ勉強することがおすすめです。東北大学では,TOEIC500点ほどあれば十分に合格の可能性はあると思います。

勉強方法は,

  • 単語を毎日覚える。(金のフレーズ何周もする)金のフレーズは発音も聞きながら覚えるとリスニング対策にもなる。
  • リスニングやリーディングは問題集をひたすら解いていく

特に変わった勉強はしていません。英語は毎日コツコツ単語を覚えてリスニングなども練習していけば,2か月やりこめば600点は超えると思います。スタディサプリやabceedで課金すれば豊富な教材をやりこめるので,1,2か月課金して短期でやりこむ方法はお勧めです。スコア推移として,私は500点から2か月で600後半まで伸ばしました。

 使用教材は以下のようになります。

  • TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
  • 公式TOEIC問題集
  • 文法特急
  • abceed

東北大学編入試験当日

 私の年はコロナウイルスの影響でオンラインの試験でした。そのため,自宅から受験しました。筆記の内容は以下のような感じでした。

数学…平面ベクトル,漸化式,微分方程式,線形代数

物理…力学(剛体の運動),熱力学,電磁気学(電気双極子)

化学…高校範囲の理論,有機,無機化学

英語…TOEICによる評価

全体的に例年よりは易しい問題が多かった印象です。しっかり勉強していれば平均8割は取れる感じでした。

面接…試験管3人が目の前にいるオンライン面接

 面接に関してもオンラインだったのであまり参考にはならないと思います。面接内容は特に難しい質問はなく,志望動機や卒業研究の内容など一般的なことしか聞かれません。そのため,面接で大きく合否は分かれないと思います。東北大学は面接に高専の成績を含むので高専のテストはしっかりとやっておいた方が良いと思います。

高専から大学編入を目指しているみなさんへ

 私は医工学を学びたいと思い,結果として東北大学に合格できました。編入試験は運要素もあると思いますので,最後まで諦めず勉強をして挑めば合格の可能性は十分に誰でもあると思います。私自身編入してから部活や研究活動など,とても楽しく生活が送れています。挑戦して失敗することや成功すること,どちらも自分にとってはいい経験でした。この体験記を読んで少しでも編入試験の参考になればと思います。

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